僕を取り囲む私を観察した不定期日記で自分は誰?


遊ぼう遊ぼう粘土で遊ぼう

おもしろい文房具を探しに街へ出た。あ、粘土がある。懐かしい。うへ、いろいろな色があるんだな。この黄色いのがいいな。

僕はいまとても幸せ。だって新品の四角い粘土があるんだもの。ばっちいヤツがこねた粘土をおさがりでこねるのはもうイヤだ。さて、やりたい放題させてもらいますか。

まずはとがった角をにょろにょろと細くする。うふふ。新品でしか遊べない遊び。では次に新品のこの美しい平らな表面でしかできない遊びを。テイッ!!粘土の角で頭をぶつける。あてて、髪に粘土がついた。でも粘土に髪の跡もハッキリとついた。うふ。

ふぅ~、次はいよいよ背徳的な行為へ移るとするか。ざくり。ああ!!シャープペンシルを突き刺してしまった!!ぐへへ。もうこのシャープペンシルは使えない。粘土用シャープペンシルだ。だっていくら洗ってももう綺麗にならないのだ。粘土のカスがつき臭いがつく。もう駄目だ。これでこのシャープペンシルはもう粘土用。さようなら。うっはー!!

次はこの消しゴム。今まで使ってきたけどもう粘土用。決定は覆されない。さよーなら~。この消しゴムを粘土に埋める。あれ~?あの消しゴムはどこいったのかな~?どこどこ?うふふ。ざくざくとシャープペンシルを突き刺して見つけてア・ゲ・ル。あ、手応えあり。うーん、でも自分で隠したのを見つけるのはつまらん。これは一人には向かないな。

次は有機物と無機物の巡り会いコーナーだ。うう、いけないバイオテクノロジーって感じ。ぞくぞくする。誰も見ていないかな?よし、大丈夫。君だ。君だよ。そう、君。君こと車にひかれた猫は粘土と融合するのだ。君の右目玉ないものね。ほら、じゃーん。君の新目玉に★を描いておくね。おお!こんな生物いないぞ。新生物だ!!さらに君は改造されるのだ。はみ出てひからびた胃はもういらないでしょ?ぽい。ぽいぽいのぽい。うーん、こんなに粘土を使っちゃって贅沢だぞ、おまえ。もう一本足があってもよくない?箱を両手で抱えて新しいもう一本の腕で箱を開ける、なんてことができるものな。うーん、便利。どう、この手?くっつけるよん。ん?あれ?おやー。くっつかないな。う、ぽろっと取れる。ん、ふ、ほ。

ムキーッ!!ウガ!!アッ!!ヤアァァァァァ!!ガガガ!!駄目だ駄目だ駄目だ!!ギーーーッ。死ね死ね死ね!!ガァーーーーー!!腕なんかいらん。首なんか飛んでけっ!!ギルギルギルー!!

はぁはぁはぁ。感情にまかせて引き裂いてしまった。ばらばらだ。うふ。これこれ。これが粘土界最大の楽しみ。完成した作品をばらばらに引き裂いてこねて原型をとどめさせないこと。


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