フェイドアウトして消えました。停電です。ブレーカーは下りていません。僕の住むアパートの明かりが全部消えています。ぞろぞろと住民が出てきました。
警察に北海道電力の電話番号を聞いて厚別区営業所の人に来てもらいました。
原因は漏電でした。差し込み口に水が触れたのが原因だと電力会社の人が言いました。
「猫の血でもなりますか?」
みんなが静かになりました。
あ。もしかしてみんな僕が猫の血を部屋中に振りまいていると勘違いしたのかも。
「車にひかれた猫が部屋にいるから血を垂らして歩くから…」
もっと静かになりました。
夜中だから静かに話せばよかったと思いました。多分、大声でしゃべっていたんだと思います。みんなもそう言ってくれればよかったのに。
で、食べようと思ったら掃除のおばさんが来て「年に1度のワックス掃除をはじますっぷり」と言われたのですっぷり。ということで「■■クンにこれをあげようっぷり」ということになって封の開いた『いかっぷり』をもらったのですっぷり。
猫にイカを食べさせてはいけませんっぷり。下痢になってうんこぷりぷりっぷり。たまに死ぬっぷり(笑)。
でもお菓子だから大丈夫だろうと思って家の車にひかれた猫にあげったっぷりよ。しょっぱいせいか全然食べないっぷり。かといって僕が『いかっぷり』を食べていると何か欲しがるっぷり。
だからイワシを頭の上に乗せて「はいあげた!」ってしたっぷりよ。ぎゃははははっぷり!!
泡を吹いて痙攣している車にひかれた猫が落ちていました。
もしかしたらこれは車にひかれた猫じゃなくて車にひかれた蟹かもしれません。泡を吹いているし。
蟹です。多分。ということで家に帰って蟹ミソとハサミにつまった肉を食べることにしました。
おいしいのは後に取っておくタイプです。だから蟹ミソをとっておいて、まず、肉を食べることにしました。甲良が猫の皮膚そっくりで取りずらいです。あまり味がないので醤油をつけました。蟹の透明な汁ではなくて赤い汁で手がべちゃべちゃになりました。
いよいよ蟹ミソです。
変な味です。
これ、車にひかれた猫だ…。