半ズボンのベルトを通す所にタコ糸を結べば持って歩く必要のないことに気がついて結んでひきずって歩きました。
もうそろそろ引っ掛かったか!と思ってパッと振り向いてみました。いませんでした。もうちょっと待たないと引っ掛からないかな。何気ないふりをするために口笛でウグイスの鳴き真似をしたり「あれ。道に迷ったかなぁ」と迷子のふりをしたりしました。
気配を感じてパッと振り向いてみました。いませんでした。ソッと振り向いてみました。いませんでした。
でも気配は感じる。いる。気配を感じるもの。耳が突っ張る。絶対にいる。
でも振り向くといない。
「教えてよ!どうすれば透明になれるの!別にノゾキをするために透明になるんじゃないから方法を教えてよ!車にひかれた猫の復讐のために完全犯罪のために目撃者防止のために透明になりたいから!」
ニンゲンの69くらいのメスがそそくさと家に入りました。ああやってドアの後ろに隠れてコッソリと透明の秘術を聞く気なんだな。バレバレだっつーの。
「僕にだけコッソリ教えて。」
メス(69)に聞こえないように小声で透明の猫に話しかけました。
あ。透明猫がもういない!メス(69)のせいだ!
メス(69)の家にピンポンダッシュして逃げてきて気がついたらニシンがありませんでした。