彼奴は何でも知っている


お風呂用洗剤を少し舐めてみた。

ぐえ。苦い。何度もうがいしても苦さが舌から染み出てくる。

水を出しっぱなしにして舌をつき出して水にさらし続けた。

舌を出しているから舌の根元がヒリヒリしてきた。

上半身だけの車にひかれた猫が僕を見ている。

発想を転換して舌を外して洗面器の中に入れた。

洗面器に水を張ればいいんだ。

僕はいつもあの猫に教えられる。