夏の絞殺


面倒だから夫婦はやめてコンビニで水を買う。

その水を部屋に置き忘れて 11 時間後には生ぬるいわずかな水を飲む。

部屋の窓からの太陽は 8 時に足の脛をぎらぎら照らすから目を覚ます。

もう少し眠りたいのにね。

暑くてエアコンのスイッチを押してタオルケットをお腹にだけ乗せる目を閉じる。

白い二本の腕が伸びてきて僕の首をぐいぐい締め付ける。

タオルケットをお腹に乗せた腕が何で僕を。

ハンガーに腹を刺してぶら下げた車にひかれた猫がこの斜めの角度だと笑っているみたい。

僕はおはようの意味で微笑もうと思うけど息が苦しくて死にそうだ。

でも、死ぬっ、って時になればどうせ手が離れるんだ。

それまでは。