都道府県街町零丁目


須々木さんと田仲さんと佐東さんの家の前に置いてある水入りペットボトルが黄色くなっているよ。

だからその水を捨てて公園で新しい水を入れてあげているよ。

いつも午前 4 時だからそのことはジロジロ見る新聞配達員しか知らないよ。

今日もペットボトルの水を代えたよ。

ベッドに戻って「はーーっ」ってため息じゃなくてただ単に息を吐いて眠ろうとしたら

ペットボトル、須々木さんと佐東さんのを間違えたんじゃないか、とみんなが言い始めました。

そうなるとザワザワしてうるさくて眠れなくて心配になるからそっと起きて確かめに行きました。

でもそれは罠で道を変えられていて僕を迷わせようという罠なのです。

だから歩いても歩いても違う所だから振り向いて戻ろうとするとそこは行き止まりだから仕方なく進めばさらに違う所が違う所を呼ぶからますます違う所になります。

寝ていないから眠いのに道路だし。

それに血や赤ん坊や六六六虫が入れられたペットボトルばかりが出てきて道路も黄色く汚くなっている。

靴が苔むしてきて僕の体を眠たくさせて腐らせようとしている。

交番があるけど「どこですか」と聞けばまた嫌なことされるから地図を探すけど地図は全部裏返し。

後ろに回ろうとするとたくさんの手に遮られる。

太陽が糸ひく臭い汁を垂らしてきた。

毒雨や毒風や毒 69 度でクラクラしてくるよ。

白猫が車にひかれた猫の子を咥えてこっちを見ているから追いかけて橋を渡っていくつかの門をくぐって塔に登って屋上から見たら僕の家が見えたから帰ることができました。

ベッドは車にひかれた猫の毛だらけでフワフワしてムズムズしたけど何日も寝ることができました。