裁バーン


今年は豊作だから庄屋の所での脱穀が終わった後にみんなで白いご飯を食べました。

おいしい野沢菜があったので一緒に食べました。

そしたら米を盗んだだろう、と言い掛かりをつけられました。

陪審員を見るとみんなニンゲンでした。

人口比を考えれば猫とか石とか花とかも陪審員になるべきじゃないの。

裁判官「米を食べていないことを証明せよ」

あれ?米を盗んでいないことの裁判じゃないの?

裁判官「無罪を立証しない証人を喚問せよ」

誰もいないので家に戻って車にひかれた猫をニ、三匹見繕って電気椅子にしか見えない証言席に座らせました。

裁判官「それが車にひかれた猫じゃないことを証明せよ」

裁判が僕にとってどんどん不利になっていくのが分かりました。

扉を音を立てて開けてガス室がニヤニヤしながら入ってきました。

裁判官「自分が無罪じゃないことを証明せよ。まだ存在せぬ証拠物件 X が何であるか当てよ。死刑された感想を述べよ。今すぐノーベル賞を受賞せよ。一日六十九品目食べよ。」

最後のは何とかなりそうだぞ、と思ったら

陪審員01「死刑」

陪審員02「死刑」

陪審員03「死刑」

陪審員04「死刑」

陪審員05「死刑」

陪審員06「死刑」

陪審員07「死刑」

陪審員08「死刑」

陪審員09「死刑」

陪審員10「死刑」

陪審員11「死刑」

陪審員12「死刑」

陪審員13「死刑」

わー、死刑だー。

逃げたら射殺されるしこのままでは死刑。どうしよう。

陪審員08の服と僕の服を交換してみました。

おかげで助かりました。