一月死

部屋で寒くて凍えていました。

誰か外でクーラーでもつけているんじゃないの?と思って窓を開けて不審な何かを探しました。

あれ?外のほうが暖かいや。

毛布を巻いて外に出てみました。

本当に外のほうが暖かいや。

少し散歩することにしました。

あと数日しないとごみの回収が来ないのにごみ捨て場はごみで溢れていました。

汚らしいので避けて通ろうとして足を踏み外して崖に落ちてしまいました。

そして谷底の激流に飲み込まれ数十メートルある滝へとまっさかさまに落ちていきました。

映画なら木の枝に捕まって助かったり無事岸まで辿り着けるんだろうけど僕は滝壷の中で同じ場所をくるくるして水面に上がれませんでした。

お財布やポケット、脇の下にあった空気で暫くは大丈夫だったけれど流石に苦しくなりました。

どうにか一回死んで数週間後に体がぼろぼろになったお陰で浮かぶ上がることができました。

随分流されたので家に帰るまで歩いて数日はかかりそうなので面倒で数週間そこにいました。

退屈になったので家に帰ってテレビを見ました。

そうしたら退屈になったから車にひかれた猫と病院の待合室に行って病気自慢をすることになりました。

「僕なんて滝壷で死んだぜ」

と言ったら周りの車にひかれた猫が「車にひかれて死んだぜ」って言い出しました。

みんながです。

みんな車にひかれた猫死。

わー、ほかの理由で死んだ車にひかれた猫はいないのー!?