電話?
の、が、死ぬ。
遠いから行かない。
儀式が嫌いだから行かない。
忙しいから、とだけ言えばいいのに。
最後に、面倒だから、と、言う。
が、死ぬのは何の感情もないけれど、
の、気持ちは少し分かるから、
またつまらないことでえぐる。
最後の言葉を聞かずにこちらからガチャンと切る殺し。
キチガイ、と遠くで思い、
これが現実?と遠くで痛む。
ガラスの向こうの車にひかれた猫を見るように、
何かに遮られた非現実的な非現実的な、非現実的な…。
何も考えずにガラスの向こう。
車にひかれた猫。
面倒。
と近い奥底で呟いた。
立ち上がって車にひかれた猫を拾って
部屋に戻る。
儀式1、儀式2が遠くで過ぎるのを目を開けて
待つ。
非現実的な非現実的な、非現実的な…。