ガシーンガシーン

1 匹の車にひかれた猫の死はヒト 10 人殺しが妥当だと思い己の限界の範囲で殺していた。

そうしたら何者かが現れ

数キロ伸びる腕で僕の首を締めたまま海溝に沈めて窒息させ

岩が燃える大地で蹴り転がされ何度も何度も日々殺された。

姿を見ようと思っても特定できず

叩き殺されて死んだ間に逆転の方法を考えても

その次の瞬間にはめちゃくちゃに殺された。

僕を殺すそれはニンゲンの守護神だと思うことにした。

だから僕にはどうすることもできず飽きるまで殺されるのだと思った。

そして最後は餓死することによって解放された。

その時にガシーンガシーンという不思議な音が耳に残った。

それの名前とも何かの壊れる音とも判別できない記憶の声。

それから少しヒトを殺すのが恐い。

僕に勇気を。