白外

紙に書かれた「他人が自分の噂をしている」に「いいえ」、

「悩みを打ち明けられる人がいる」に「はい」、「自殺したいと思う」に「いいえ」なんて書き込み、

席を丸く囲んで甘えたことを言うヒトに「なんとかしてあげたい」という顔をし、

やたらと陽気に自慢話をしているヒトにはこっちも笑顔。

そして面接では「何か仕事をしてみたいです」と答える。

世界には車にひかれた猫の血の一滴も見せない。

それで脱出。

べったりと暑い外に出て苦く汚い空気を吸う。

ああ、自殺したい。

捕まらないところはどこなんだろう。ヒトが誰一人もいない涼しくて綺麗な海のあるところがいいな。

帰りに冷たいうどんを食べた。

こっちを見て笑っている二人がいる。僕の服が変なのかな。

早く車にひかれた猫を全部集めてどこか別の星に行こう。

でもその前に死んでしまいたい。