夜になり孤独感は昨夜ほど獰猛ではないけれど僕をズタズタに切り裂きだした。
寂しさによる心臓の鈍い痛みは溜息をつく間は消えるけれど吐き終わればまた痛む。
僕より苦しんでいるものはたくさんいるさ、明日は何の映画を観ようかなど脳からいくつか痛みを和らげようと持ってきたが効き目がない。
日記という形で昇華させようと思ったけれど思いは散り散りになりまとまらない。
昨夜は暴れたけれど今日は身を任せてみようと思った。
涙を流せばいいかもしれないと思って少し泣いてみた。鼻が少し痛くなって目が熱くなった。
眠れればいいのに。オナニーしてごまかそうか。
でもちっとも気持ちよくないのでやめる。
胸が水っぽくもっとぐちゃぐちゃした気持ちになってきた。
叫べたらなと思った。
溜息は数秒だけれど叫び続ければ胸の痛みを忘れられるしうまくいけば酸欠で気が失える。
でもここでは叫べない。
叫べない獣って狂うのかな、なんてふと思った。
僕は獣じゃない、と思ったけれどやはり獣かも。
部屋の隅の車にひかれた猫が僕をじっと見ている。
僕も静かに見返した。
孤独が僕をほとんど食い尽くし、そして僕は死に眠りにおちた。