血を流している車にひかれた猫はプラスティック容器に一時預かり。
その血が乾かぬうちにまた新たな車にひかれた猫。
いちいち洗っていられないからとまたそこに放り込む。
でもなんだか罪悪感と恥ずかしさを感じる。
清潔じゃないから?忙しいという言い訳で手を抜いているから?
白紙にいっぱい落書きして疲れて横になる。
もう血は乾いたかな。
移さないと。
少し眠って容器を洗う。
乾いていた血が水によってまた流れる血に戻る。
血は水音とともに回りながら洗面台の底へ飲みこまれていく。
水とか火とかなぜ見飽きないんだろう。
猫も。
テレビや本や音楽はしばらく間をあけないといけないのに。