血まみれサンタクロース

僕はサンタクロースかも知れないから柔らかい壁の部屋の中で練習。

鏡はないけれど練習をするのなら鏡の前でするべきだから北の壁を鏡代わりにホー、ホー、ホー。

でもおもちゃを一個も持っていない。

それに赤鼻はルドルフとして他のトナカイの名前が思い出せない。

そもそも一晩で配れるだろうか。特別な力を思い出せないし。

いい子か悪い子かチェックするの大変だから全員にあげようかな。

でもおもちゃがないから誰にもあげない!

悲しくホー、ホー、ホー。

ほかに何をしないといけないんだろう。

白いふさふさのヒゲと大きなお腹?

ここから出してほしいけれど理由は言えない。

誰もサンタクロースの正体なんか知りたくないでしょう?

言えない理由もあるのに。

それは何のやましいことがなくてもね。

ダンボールとともに捨てられた小猫に猫缶をプレゼント。匂いで起きないようにしないとね。

車にひかれた猫には痛み止め。適量はどれくらいだろう。

配る計画を考えるのは楽しい。

僕はサンタクロースだと思う。

だって閉じ込められているから車にひかれた猫たちにプレゼントが届かないんだもの。

それを知っているから出してくれないのかな。

怒ってホー、ホー、ホー。