房々

薄緑色のぶどうをもらった。

ボウルいっぱいのぶどう。

テーブルの上に置いてぽかーんぽかーんと眺めた。

部屋中に甘いぶどうの香りが立ち込めたよ。

そしたら猫がひらりと現れておっかなびっくりぶどうに鼻を近づけるよ。

自分のピンクっ鼻にぶどうが軽く触れてびくって首をすくめてる。

ずっとこうしていたいのに。

でもきっとぶどうは腐敗して蛆が涌くよ。

それと同じように僕が体を椅子に預けっぱなしにしているうちに路上では車にひかれた猫が生まれるんだ。