また癌なのに十数年来の柊の花がはじめて咲いた。
なんて素敵な香り。
甘い香りがいっぱいなのに。
せっかく寒く冷たくなってきたのに。
それともだからなのかな。
いいや、まったく関係ないのに。
大切なことも言えないままに、
ただ車にひかれた猫をいじっていじって自分の手のひらの汗でぐちゃぐちゃにしていくよ。