炎天下、通り過ぎるバスの影では涼しくならず。
が句みたいでしかも僕は何故歩いているのか分からず
富小路禎子さんの「自動エレベーターのボタン押す手がふと迷ふ真実ゆきたき階などあらず」を思い出し
押しボタンを連打する手を止め「真実ゆきたき階」に胸が締め付けられる。
猫の短い叫び声で我に返れば車にひかれた猫が歩道に行こうと横に倒れたまま四足をばたつかせている。
猫をひいたトラックは東北行きと書いてあった。
僕は車なら赤、歩行者なら青になった後の行き先があるだけだ。
そして横断歩道を渡り終えたら 180 度ターンしてまた押しボタンを押すことを繰り返すだけ。