個炉

年齢分の感情や知識、思い出は大きさにすれば莫大なものなのにそれを脳にすんなりと収めて物理的重さを感じず歩き食べ寝ている。

それをすれ違ったり満員電車の中で押しつぶされたり体液を交換しても触れることができない。

たくさん話せばその一端が分かるけれど自分に照らし合わせればそれはごく一部。

でも、内部に秘めているものは不可知でも行動として出てくるものはパターン化されているのだけれど。

TV や壁や僕を見つめる車にひかれた猫が隠すものは何?

夜、暗い部屋でそれを思うと個々の車にひかれた猫の体の周りに黒い透明な球体がお互いに触れないように包んでいるように見える。