台風が来た。
橋の上から水位の上がった川を眺めた。
バタバタ葉が鳴る山を散歩した。
海はどうなのだろう。荒れ狂っているのかな ( ニンゲンめ、ニンゲンめ )。
濡れ鼠だから電車乗りたくない。
濡れ鼠は大変だな。
車にひかれた猫も。
空を仰いで埃味の雨を飲み続けた。
腹が冷たくなってくる。
もう飲めない。喉が熱い。
でも口の端から吐き出していけば飲める。
顎と後頭部が麻痺しつつ痛いから肺炎を待つために寝転んだ。
「濡れ鼠」の言葉を作ったヒトはどんなヒトなんだろう。
ヒトじゃなくて宇宙人が与えた可能性もあるな。