宇宙スペースと部屋スペース

車にひかれた猫を一匹拾った。

でもすでに車にひかれた猫で部屋が埋め尽くされている。

だから僕の片腕を捨てた。

これで一匹の車にひかれた猫の隙間ができた。

また車にひかれた猫を一匹拾う。

だから僕の片足を捨てた。

これで車にひかれた猫の隙間ができた。

さらに車にひかれた猫を一匹拾った。

腕と足は一本ずつ残したい。

だから歯の半分と片目、片耳を捨てた。

これで半分の車にひかれた猫の隙間ができた。

残り半分はお腹の中に。

外に出れば車にひかれた猫がまだいる。

どこに入れればいいのだろう。

僕がいなければ僕の分のスペースの車にひかれた猫が入る。

でもさらに車にひかれた猫を拾ったら。

「別荘」だ。

「別荘」を作ればいいのか。

手足歯目耳が悔やまれる。

鼻があるのが慰めか。