通り過ぎる鋭い救急車の叫び泣きが耳に突き刺さり体をすくめる。
家に帰れば死生死死死生死死生死死…。
どこかで誰かが生きるか死ぬかの大手術。
助かりますようにと願ったり祈ったりしているんだろうね。
僕はそういう時は過去と現実が消えて未来のことだけを考えてしまう。
明るい未来も願うけれど大きいのはそこにない寂しい未来。
みぞおちに両手をずぶと差し込んで上半身を力任せに引き裂きたい。
壁と天井を染める血で少しは落ち着けると思うのだけど。
車にひかれた猫を拾っても殺すだけだよね。