暑くて手と足が膿むから家にいた。
もう蝉が鳴いている。
夏の終わりに地面に積もる蝉の死骸が見える。
あまり先を見てはいけない。
先を見たとしても過去と今を踏まえて見るべき。
それと車にひかれた猫と嘲笑と抑えられない怒りと退屈と焦りなども合わせて考えなければ。
膿んだ体にシーツがへばりつく。
はがすと痛いだろうな。
先を考えてはいけない。
もう少しで天井に届きそうな悪意に満ちた課題のことは考えないといけないけれど。
眠ってしまいたいけれどもう眠りすぎて眠れない。
目を閉じると頭痛がするからなるべく瞬きもしないように一点凝視。
何かを見ていれば何か考えているように見えるから。
でもそれは誰に対してのアピールなんだろう。
もうだんだん何も分からなくなってきた。
だから車にひかれた猫、車にひかれた猫、車にひかれた猫 ( 「車に」の「に」が脳に痛く絡みつくけど車にひかれた猫、車にひかれた猫、車にひかれた猫、… )。