ヘッド

蚊がふらふらと飛んでいた。

殺生はいけないと蚊を手で払って逃がしたお坊さんのことを思い出してから

パン

と叩いたら

ブシャッ

と蚊が含んでいた血が炸裂して周囲 1 メートルを真っ赤に染めた。

天井からぽたぽたと血が降ってくる。

あんなに小さな蚊に何故こんな血が?

混乱。

そういえば数年前にヒトを殺した気がするのは思い違いかな…。

今も締めてから刻んで袋に入れてバットで叩いたのは蚊じゃない…?

象は蟻を踏まないように歩き、

肉食を禁じられたお坊さんは兎の耳は長いから 1 羽 2 羽と数えて食べたように

車にひかれた猫の復讐はしてもいいんだと思うよ。

たまに物凄い速さで飛ぶ蚊がいて叩けないけれど。