ミューたんと

横になって音の出ないテレビを眺める。

車にひかれた猫がやって来て僕のお腹の所で僕と同じ格好で横になる。

部屋の隅から赤い小さいのがよちよち来て車にひかれた猫のお腹の所で車にひかれた猫と同じ格好で横になる。

あの時期は猫の胎児かヒトの胎児か分からない。

怖いのは僕の後ろに巨大な何かが横たわっていること。

背中全体にその何かの呼吸が分かる。

だからテレビのミュートを解除して音を最大にする。