手毒

ふさふさの毛と肉のなくなった皮だから毛皮だから暖かくていいようなものだけど冷たくてもちゃもちゃといじる僕の手で生暖かくなる。

不快だ。僕が触ると「生暖かく」なる。

自分の手を固く縛って血を止めて冷たくする。

こうやってポトリと手が落ちたら楽しいな。

ニンゲンの体はいろいろな所が繋がっているそうだし首を固く縛ったら手がポトリと落ちるかな。

ポトリはいいけどポロリは嫌だなぁ。

舌がだらんと長くなるのもみっともないし。

ポトリと車にひかれた猫の手が落ちた。

それもこれも僕が触ったからだな。「角虫」だもの。なんか変な虫なんだな、僕は。

毒があって触ったものをダメにするんだ。

パンに挑戦したけど膨らまなかったし。それもこの手の毒だ。

触れるものを黄金にした話があったけど僕は根本を腐らせるのかも。

納豆とか作る仕事をすればいいのかな。

猫を撫でたいのに。

僕にはダメなんだ。