せわしなく歩き回る働きアリの触覚に乾いたガムが触れる。
またかと言うように一瞬でプイと向きを変えて探索に勤しむ働きアリ。
アリから見たその乾いた灰色のガムと、今、僕が見ている景色は同じだよ。
乾いたガムの建物に乾いたガムのニンゲン。乾いたガムの道路に乾いたガムの車。
乾いたガムの世界で車にひかれた猫は唯一音なく鳴く潤っていない潤い。