鳴管と痛感

3 時半頃に「ホッキョ、ホッキョ」と下手にさえずるウグイスがいる。

下手なのが恥ずかしくてこんな時間に練習しているのかな、と勝手に思う。

同じところにいるとじっくり聞かれるからか移動しながら鳴いている。

去年も下手なウグイスがいた。一昨年も。もっと前も。

同じウグイスかな。

すり鉢にウグイスを入れてすり潰したらウグイス色じゃないよね。

毛がなければ車にひかれた猫もウグイスも僕もすり潰せば同じだよね。

自分を飲み込もうと足を咥えたけど喉でつっかえた。

それと同じで自分をすり潰すのは難しそうだ。

でも全部すり潰せなくてもすり潰す手が止まればそれは僕が死んだことになるから目的は果たせるのだけれど。

痛みで阻止されると痛みに意思があるように思える。

死にたくないのは僕じゃなくて痛みのようだ。