臭いで追いかけてこれないように川をじゃぶじゃぶと進むよ。
足が寒いというより痛くなってきた。
ゴミが流れていく。
空き缶や瓶、コンビニの袋、カラスの死骸とか。
僕もゴミの一つか。
車にひかれた猫が鉄棒に引っ掛かっていたから拾い上げて進む。
ガラスに足を切り裂かれたし、何度もぬめった苔に足を取られて転んだし、眠っていた鯉を起こしもした。
海に出られるのかな、と思ったら処理場に出た。
轟々と凄まじい音。
ここでも車車車か。
車にひかれた猫を岸の草むらに置いてから飛び込んだよ。