昼と夕の隙間

猫のしっぽくらいのカーテンの隙間から覗く青い空。

雲もなく猫の瞳のように青い青い青い色。

その場合、僕の視点は空のどこに定まっているのだろう。

急にカーテンの隙間いっぱいに三毛猫の模様。

僕の視線がキューーーッに近くなって視覚がパリンと壊れる。

何メートルの三毛猫なのだろうとカーテンに手を伸ばす。

猫にではなく、カーテンに恐怖を感じて手を引っ込める。

このカーテンは何色だろう。

恐ろしくてよく分からない。

さっきまでの隙間の青空も見ることができない。

車にひかれた猫が心配そうに床から見上げる顔、顔、顔。と顔。に顔。

今笑ったらギコチナイケレど笑ウベキカな。

変な発音で思考。

風が窓を叩く。

叩き破って入ってくればいいのに。

後片付けにガラスを拾って手を怪我すれば心配してくれるかもしれないから。

誰に?

挑むように言わないで。( for a dare )

足の甲に車にひかれた猫を置く。

少しざらついて気持ちいい。

ざらつく心とまったく違う感触。

今晩は昨夜と違うご飯にしよう。