コモド王と影の碑

こどもの日だから息子と娘を連れて遊園地へ。

正確には息子のみ。イグアナ似の娘を途中で換金した金で行ったから。

入り口の狭き門に shit ではなくジッドと呟いても息子は怯えているから疑問にも思わない。

滅びに通じる門は広いように、程度の低い悪意の門も狭いものだ。

壁の隙間から 31.4 センチはありそうなミッキーもしくはミニーが鼻を動かしている。

乗りたそうなメリーゴーラウンドは乗せずに底に砂糖が溜まったコーヒーカップへ。

まわし過ぎによる反吐の匂いが立ち籠めるし座席も砂糖でじゃりじゃりだ。

Shaken Baby Syndrome な歳でもないしな ( Shake It Baby? )。

ジェットコースターは身長制限があるも職業意識の低いアルバイトだから乗せることができた。

椅子に死が身つけば落ちないものだな。

入ったものは誰も出てこないシュレッダーの音がするおばけ屋敷に恐怖で泣き叫ぶ息子を放り投げる。

あら、でもオバケになって出てくるのか。阿頼耶識。

まだ幼いから復讐も知らずにお父さん、お父さんと言っている。

射的で撃ち殺した景品の遺留品はライターや合皮の空の財布、銀細工に見せかけた偽物のアクセサリばかり。

このくらいの歳の子は燃え盛る火で喜ぶものかな。

暴力サイクル説で言うところのハネムーン期なのかね。

共感しない登場人物たちによる共感しない物語。

それでも遊園地に行きたいなと車にひかれた猫を抱く余所の子。