等脚目僕科

エメラルド色の海って本当にあるんだな

遠くの水平線は深い群青で

銀色の小魚の群れがスイッスイッくるっと小刻みにターンをしながら泳いでいく

サンゴ礁は明るい色のパレットのようにカラフル

お土産屋のサンゴは毒々しくて醜かったな。高ければ高いほど

堤防にはフナムシがうじゃうじゃザザザザッと走り回る

サンゴもフナムシも同じ生き物なのに

おぞましい僕がフナムシをおぞましく感じる

フナムシは僕を恐れて逃げまくっているだけなのに

小魚も僕から逃げていく

お土産屋ですら僕には声をかけず怯えた目を向ける

太陽も僕に我慢できず夜になり、夜も僕に我慢できず朝になる押し付け合い

この美しい浜辺で僕がフナムシ

もしくはフナムシは僕として扱われている

車にひかれた猫に群がるフナムシ

車にひかれた猫を拾う僕

僕か