キャンプ・ヘルファイア

2023-8-8

明日になったけど巨大ばらばら車にひかれた猫は残ったまま

ここらにこんなにハエがいたのかと驚く

全身を完全に包んでいる

大量にいると羽音が波のよう

ハエに交じって僕を殺す毒虫もいる

赤いのがいる

僕を殺す苺虫だ

珍しいねと興奮して車にひかれた猫に話すけどきょとんとした瞳は虚空を見つめる

一日一日腐敗と肉が食われ車にひかれた猫が小さくなっていく

肉から骨が見え

骨に肉が付着するようになり

骨だけになる

僕がすっぽり収まる巨大肋骨アーチにターフを付けてキャンプごっこをする

マシュマロに板チョコを入れて焼く

火傷しそうな熱々チョコレートの苦味から甘さがとろりと出て美味しい

床、壁、天井に火移りして燃え盛る

車にひかれた猫とマイム・マイム

熱い、痛い、冷たい水で包んでほしい

でもどうせ明日には消えているから