2023-8-8
明日になったけれど延焼中
暑い夏に熱い炎
車にひかれた猫を拾いに燃え盛る建物に飛び込む僕を眺める
いつまでたっても出てこないので僕も車にひかれた猫を助けに建物に飛び込む
それも帰ってこないので焼け死んだ僕をまたいで車にひかれた猫を探すも熱い肺は呼吸できず死ぬ
僕を飛び越えた僕も焼け死ぬ
僕の死体たちが壁になって車にひかれた猫を助けるのに邪魔だなと思う僕を突き飛ばして僕が部屋に飛び込んでいく
僕の勢いより炎の勢いが激しくて僕が死んでいく
外にいる僕がトイレも火事だし一石二鳥だとおしっこで火を消そうとしているのが最後の光景
手を洗わないとピリピリする感覚があって手を洗おうと火の中に入って死んでいく
炎で滅菌されて本望なんじゃないかな
さて、僕も車にひかれた猫を拾いに行くか
日が沈み鎮火する
焼死体の僕の下に車にひかれた猫がいれば美談だけど
どの僕も車にひかれた猫に辿り着かず死んでいる
焦げて小さくなった車にひかれた猫を拾う
小さくなりすぎて見つからない車にひかれた猫もいるだろうな
僕の消し炭と風で混じっているなら死んだ僕も浮かばれるかもな
僕を殺す毒虫と僕を殺す苺虫は元気に這いまわっている
きっと明日は、いや、やめておこう