ぼたもちと秘密のない秘密

大根おろしたっぷりの天つゆに菜の花の天ぷらという幸福

ふわふわと踊りながらの帰り道は何度もくるりと一回転

部屋には巨大な僕

「地蔵がぼたもちをくれたと考えたのか?」

開口一番?

「鍛え上げた私が地蔵を運んだのだ」

私、なんだ

「肩を叩いたのは隠れた私が棒でつついた」

隠れてたんだ

「仮に地蔵なら元の場所に戻らず棒立ちをおかしいと考えないのか」

頭がおかしいのは自分では

「…」

あの 69cm の車にひかれた猫も仕込みなんだろうか

「いや、あれは偶然だ」

自分だから僕の考えを読めるのか

「そうだ」

そうか

「車にひかれた猫のお腹がいっぱいになったからよかったな」