よい殺し

炎天下、鎖につながれた奴隷たちが上半身裸で<仕事>をしている

背中には鞭による無数のミミズ腫れ

シーボルトミミズくらいある

細いフランクフルトみたいなピンクの鞭の跡

殺せばいいのに

殺したら殺し返されるか

僕が殺そう

でもそのせいで彼らが殺されるかも

そしたらまた殺す

警察が来ても殺す

無限じゃないし、殺すのがいなくなるまで殺す

もちろん思うだけで殺せず車にひかれた猫を拾い通り過ぎる

殺すよりひどい

僕は弱いから、勇気と夜を味方に、ステルスで皆殺しにしなくちゃ

良いことをするのは少し誇らしくて恥ずかしい