死法

僕殺(ぼくさつ)と読むかと思ったけど

僕殺(ぼくころし)という罪状で裁判所へ

(英語で「訴える」は to sue とか going to sue というけど、suicide の略かと思っていた)

登場した裁判官は座る瞬間に「死刑」と呟いてフロアを沸かす

検察官は調子に乗って「死刑!死刑!死刑!」と壊れたように連呼(壊れている)

弁護士も満面の笑顔で「死刑」(スーツの内ポケットには死刑と書かれた半紙)

弁護士は僕側じゃないのか

傍聴席の 99.9% は足を床でドンドン鳴らし死刑、死刑

0.1% は指のかけらなのでノーアクション

刑務官もヘッドバンギングしながら死刑とシャウトして大盛りあがり

メディアも全部死刑なんだろうな

裁判官「死刑」

(大歓声)

絞首刑、火刑、水刑を選べるとのこと

水刑と絞首刑を選べば水に浮いて絞首刑は無効になり

水刑と火刑で水と火は相殺されるのでは

なので全部を選ぶ

水刑は重い椅子に縛られて深い池に沈められる誤算

あ、でも水底に車にひかれた猫がいる

車にひかれた猫を拾い

家に帰り、靴を干す