僕を取り囲む私を観察した不定期日記で自分は誰?


さらにもう一つの21

貞奴に

わたしは、今日の日記を、ある人にささげたが、ほかの人たちには、すまないと思う。でも、それには、ちゃんとした言いわけがある。その人は、わたしにとって、第一のペンパルだからである。もう一つ、言いわけがある。その人は、星の王子さまでも、なんでも、わかる人だからである。いや、もう一つ言いわけがある。その人は、いま東京に住んでいて、私信や、誕生日を祝ってくれた人だからである。どうしてもお返ししなければならない人だからである。こんな言いわけをしても、まだ、たりないなら、その人いがいの、みんなの、誕生日を知らないから、わたしは、その人に、この日記をささえげたいと思う。人は、だれも、誕生日をもっている。(しかし、その日をわたしが知っている人は、いくらもいない。)そこで、わたしは、わたしの日記の冒頭を、こう書きあらためる。

誕生日を教えてくれた
貞奴に

なんて書くと義理で書いているみたいだ。違いますよ。星の王子さまの献辞を選んだ僕の選択ミスです。やはり自分の言葉で書かなければなりませんね。僕は誕生日なんて死に一歩近づいたことを知る日程度にしか認識していないからナンですし、ほかの人たちの誕生日を祝っていないのに祝うのも気がひけたのですが、やはり、そこはほら、貞奴さんということで。

今日拾った車にひかれた猫の一つでも贈りたいのですが、何せ今僕は補習していますし(今日の自分、元気?)。ですから、みんなのものは僕のものなんですけど、今日は貞奴さんが家を出て最初に見た車にひかれた猫は貞奴さんのものにしていいですよ。誰にも気兼ねすることはありません。僕が許可を出したと言えば分かってくれるはずです。もし物わかりの悪い人がいればコレを印刷して見せてあげてください。ピース。


キョウ ハ ロボット

幼稚園児なガキを連れているババァがいた。ガキが「あ、猫死んでる。」と言った。僕もウィーンと首を動かし、カシャカシャと目玉の焦点を合わせて見てみた。車にひかれた猫が落ちている。ガキが車にひかれた猫に手を伸ばした。

「汚いからやめなさいっ!!」

ババァはガキをナイフで刺して腹を蹴り上げ、倒れたガキにガソリンをかけて燃やして灰にして海に投げ捨て、ガキの手をひいて連れ去った。ガキがまだ猫かなんとかかんとかと言っている。ババァは適当に返事をしている。

ガキとババァがナニを言っているのか聞くために聴力をアップさせてみた。ミミミミミ。

「今度鈴木殺すべ。」
「ペンタゴンが膨張して分裂を繰り返しているから発電するらしい」
「さぁどんどん死ぬぞ死ぬぞ死ぬぞ。」
「赤の次に緑がわくんだ。」

僕の悪口ばかり言っているから家に帰ってラジ夫を聞こう。そうしよう。


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