僕を取り囲む私を観察した不定期日記で自分は誰?


汚いかもしれないけどさ

へっぴり腰のおばさんが箒の後ろの方で車にひかれた猫をつついて箱の中に入れようとしていた。血とか内臓が嫌いな人もいるから仕方がないけどなんだか嫌な光景だ。

「その猫、もらっていいですか?」

おばさんは驚いて僕を見ているだけだ。その間抜けなのも嫌なので僕は返事を待たずに車にひかれた猫をサッと拾って歩きながら鞄を開けて中に入れる。

近くの公園のベンチに座ってさっき拾った車にひかれた猫を取り出す。やあ、こんにちは。右横腹はないけどこんなに可愛いのにね。


高いよねぇ

近くの生協の中にペットコーナーがある。文房具を買ったついでにそのペットコーナーへ寄ってみた。檻の中に子犬がいた。小さなしっぽをはちきれんばかりに振って顔は僕の方へ向けぴょんぴょん走っている。えへへ、可愛いなあ。檻に指を入れてみた。ぺろぺろ舐める。うへへ~。値段は6万円だった。こっそり7万円キャッシュバックと横に書いてみた。店員が僕を睨んでいる。僕はいずらくなってうさぎも見ずに帰ることにした。子犬が後ろでワンワン鳴いている。後ろを振り向いて手を振りたいけど店員の視線を感じてそのまま早足に帰った。

ただいまー。

家のドアを開ける。一匹の猫が部屋を歩いている途中で、僕を見てにゃーと鳴いてくれた。うひゃー。君も可愛いや。抱き上げて猫の口の前で指をちらつかせてみた。猫はじたばたとどこかに行きたがる。しかたがないので手を離した。三半規管でくるりと回って着地せよ。猫はくるりと回って着地する。そしてぐらりと傾いてこけた。あはは。足が3本でうち1本曲がらない車にひかれた猫だからね。それが可愛くてもう一回抱いたらフーッ!!と怒られた。うへへ。それも可愛いや。


ふんふんふん

雪の上にある猫の足跡が可愛い。まっすぐ進んでいた足跡がいきなりぐるうーと蛇行しているのを見ると犬がいたのかな、とか想像してしまう。前に二匹の小学生がその猫の足跡を靴でけちらしながら歩いていた。僕も靴で二匹の小学生をけちらした。鼻血をたらしてうずくまる小学生。ふんふん。鼻歌歌って歩く僕。後ろから低能な悪口。僕は180度ターンを決め、走って逃げる小学生を捕まえて後頭部を陥没させる。2匹を引っ張って雪捨て場となった公園へ捨てる。醜いので雪で隠す。そこにうずくまって震えている車にひかれた猫がいた。前足が潰れている。タイヤに踏まれたのだろう。痛いだろう。猫を抱いて家に帰った。ふんふんふん~。
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