僕を取り囲む私を観察した不定期日記で自分は誰?


どす黒いから

雨が降ったおかげで街路樹の葉についていた排気ガスやホコリが洗い流されて街が前より緑色に見える。そんな街の道路にどす黒い猫の血が広がっていた。鮮やかに赤い血もあれば黄色くなった血やただの黒にしか見えない血もある。この車にひかれた猫の流す血はどす黒い。ほとんど黒。でも光の加減で赤にも見える。そのどす黒い血の沼に葉が落ちた。葉は血を吸って沈んでいく。どす黒いからだ、と思った。理論的でもなんでもないけどどす黒いからお似合いだと思った。

小人の仕業?

そういえばこの靴一年以上履いているよな。

血の沼に靴をひたす。何歩か歩いてみた。足跡を見るとかかとの内側がない。靴の裏を見てみた。確かにゴッソリとかかとの内側が欠けている。着地するときに足の内側から地面に着くのかな。

意識してそんな歩き方をしてみた。変なの。絶対こんな歩き方しないよ。だれかが僕の寝ている間とかに削っているのかな。家にいるのはあいつらとかあれとか車にひかれた猫だ。

…。猫って夜ずっと起きているよな。もしかしてこういうことしているのかな…。


雨の川

学校に行く途中橋がある。雨の日とか次の日は川の水はドロドロになって水位を上げてゴーゴー流れている。枝とかも流れている。こんな時この川に住むマスはどうしているんだろうなんでボンヤリ考えながら眺めていた。親戚の家とかに厄介になっているのだろうか。それとも陸に非難しているとか。あ、猫だ。猫が流れている。ゴーゴー流れている。GO!GO!なんちて。車にひかれた猫だな、あれは。死んでる。そのうちもっと水を吸ってぼよんぼよんに膨れるんだ。そうなったら可愛くないよな。ドライヤーで乾かせばもとに戻るのかな。ああ、見えなくなった。GO!GO!なんちて。
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