僕を取り囲む私を観察した不定期日記で自分は誰?


トンネルオレンジ

「虫は夜鳴いてもいいけど鳥は夜鳴いちゃ駄目だよね。」

ずっと耳元でそう聞こえます。おまけに3秒後にまた同じ事を言います。途中から数えはじめて9,9999回目で根負けして夜鳴く鳥を探しに行きました。でも、困ったことに僕には鳥の鳴き声が聞こえないんです。数週間前に鳴いていた鳥なら知っているけど。

トンネルをくぐって森に行けばいるかもしれない。そう思ってオレンジ色に光るトンネルに入りました。いつもより長く感じます。おまけにグネグネ曲がっています。いつもカーブなんかないのに。嫌になって振り返ってももう入り口なんか見えないし。

ゴウゴウと音がする。車が来たんだ。

ギャーン!!

猫!ひかれた!

猫の叫び声がこだましてる。おもしろいな。

車にひかれた猫の叫び声に耳を傾けうっとりしていました。夢から覚めた感じで目を開けるといつもの直線トンネルになっていました。それに、もう変な声は聞こえませんでした。よかった。


コロシテイイ

家で『猫ひいたヒトを殺してもいい券』を作ろうと思いました。汎用性のことも考えて『コロシテイイ券』にしました。

さっきも猫をひいたパトカーを止めて警官に券を渡してガツンと殺しました。

僕、サツを撲殺したよ。

わはは。お日さまも笑っていました。車にひかれた猫も口が裂けて笑っているように見えました。


ワタシハシンゴ

コロシテイイ券があと2枚になってしまいました。慎重に使わないと。あのヒトを殺そうかな、このヒトを殺そうかな。そんなことを考えている間が一番おもしろいのかも。この2枚をポケットにしまって誰を殺そうかと考える幸せに浸ることにしました。

で、ポケットに入れていることを忘れて洗濯機に入れて紙まみれにならないように注意しないとね。

紙まみれの「み」あたりで猫の断末魔がしたので行ってみました。コロシテモイイ券を使いたいけど車はずっと遠くへ行ってしまいました。だからこの車にひかれた猫に一枚券をあげました。好きなヒトを殺しなよ、ということで。

だから下半身だけの車にひかれた猫をみたら注意ですよ。この券を使ってあなたを殺すかもしれませんから。もし、あなたがヒトだったら、の場合ですけど。


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