僕を取り囲む私を観察した不定期日記で自分は誰?


手品は魔法じゃない

赤いハンカチを拾った。手品で使うような赤いハンカチ。車にひかれた猫にかぶせて3つ数えれば生き返るかもしれない。

3つでは早すぎるから10まで数えることにした。でも10まで数えるのは面倒なので9でハンカチを跳ね上げた。

ちゃんと10まで数えてやってみよう。いや、10ではなく、思い切って100まで数えてみよう。

99まで数えた。どうせなら100ではなく1000まで数えてみよう。

1000まで数えるとせっかくここまで数えたのだから10000まで数えたくなる。

でも喉が渇いたので6949でハンカチを跳ね上げてみた。

このハンカチは手品のハンカチじゃない。


臭い

口の中から黄色い米粒大の臭い塊がまた出るようになった。たまに米粒3つ分くらいのも出る。だから僕は生きている。車にひかれた猫はどう?

何もできない

毒の眠りで僕は床に倒れて眠る。寒い。だけど布団をかけたらこの快楽が消えてしまう。だから凍えながら眠る。よだれを流しながら。

きっと今も冷たくて固い道路に車にひかれた猫がいる。体からあふれる血は暖かいよね。自分の血の暖かさが気持ちいいかも。でも、だんだん冷たくなるよね。


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