ホコリまみれで刺のある植物が群生していて目にみえない小さな虫が数億匹いる地帯。
恐る恐る手を棚の隙間に入れる。
植物のツタが僕に絡んできて小さな小さな虫が僕の皮膚にもぐり込もうとしている。
速くCDケースを取らないと体から芽が出て死ぬ。
そう直観して真っ暗な隙間の中にあるCDケースを探す。
あった!!
ううう。車にひかれた猫の骨盤だよう。
Yの家の猫は白かった。Mの家の猫は黒かった。僕の家の猫は赤かった。
Yの家の猫はニーだった。Mの家の猫はクロウだった。僕の家の猫は車にひかれた猫だった。
足が痺れた。
足を切断すれば大丈夫だ。
猫の邪魔をしないように腿からザックザックと切りはじめた。
膝の上の猫がビクッと気がついて僕の足を見て逃げる。
なんだよ。膝の上にいてもいいのに。