おじさんがいたことと、またおいしいパンが食べられるから嬉しくてきゃーきゃー言いながら僕は家に向かった。あ、車にひかれた猫が落ちている。雪の寒さかなんだか分からないけどがくがく震えている。けっこう大きな猫だからポケットに入らないし鞄も持ってきていない。片手にパンの袋を持って片手に猫を持つのは手が冷たくなるから嫌だ。だからパンをポケットに入れてパンを入れていた袋に車にひかれた猫を入れた。
パンの袋は厚いビニールなのでがくがく震える猫が中にいるとばりばりと音をたてる。僕のきゃーきゃー言う声とばりばりと鳴る袋でまるで音楽みたいだ。楽しくて楽しくてたまらない帰り道でした。