僕を取り囲む私を観察した不定期日記で自分は誰?
マリリン
もう寝たら、僕は鏡の中にいる私へ話かけた。ああ、僕もそう思っていたよ。シャワーを浴び、シャネルの5番をまとい全裸で布団の中に入る。車にひかれた猫が寒そうにしている。僕だけ布団で悪いから布団をつけずに寝ることにした。死ぬほど寒い。体は全身鳥肌が立ちがたがた震える。体を丸め、一ミリも動かさない。とても眠れそうにない。あ!アレはなんだ!!僕は部屋の角を指さした。猫がそっちを見た隙に僕は布団の中に滑り込みぱぱっと眠りについた。
服が少し擦り切れた
車にひかれた猫の片足が凍った地面に入っていた。無理に引っ張ればちぎるだろから家に帰って魔法瓶にお湯を入れてきて地面を融かそう。そうしよう。そうだそうだ。いいぞいいぞ。やれやれ。うわー。いいぞ。うわー。がー。頭をぐるぐる回して走ったせいでツルリと転んでしまった。手から血がちーと出た。痛い痛い。ひざ小僧もじんじんする。振り返って車にひかれた猫を見るとにかぁと笑っているように見えた。口からよだれのように黒い血が流れている。冷たい地面に手をついてぼんやり車にひかれた猫を見ていると自分の心臓の音が聴こえて僕の体のかすかな震えが分かってなんだか一人の気がした。一人だよ、一人。周りに誰もいないもの。ラッキー。こけたの誰にも見られなかったよ。
前の日へ
インデックスへ戻る
次の日へ
声 ( トップ )