僕を取り囲む私を観察した不定期日記で自分は誰?
空間
人混みの中を僕は歩いていた。足下に車にひかれた猫がいる。僕は立ち止まって眺めた。ぺちゃんこだ。どん、後ろから僕にぶつかる人がいる。振り返って僕を見る人がいる。そのうち僕の周りに空間ができる。こんなに混雑しているのにみんな僕に敬意を示して避けて通ってくれている。だから僕は車にひかれた猫をゆっくり見ることができた。
この猫拾っても肉とかが道に投げ捨てられたガムみたいにねちゃっと付着しているんだろうな。そうなると全部持って帰れないからあとあと気になってしまう。それだったら最初から拾わなければいいんだ。じゃあね。
僕はまた歩き出した。僕の周りにできていた空間はまた人混みに戻った。
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