僕を取り囲む私を観察した不定期日記で自分は誰?


知らないことばかり

1996年2月20日朝日新聞夕刊に猫の尻尾見てナニするおじさんのギャグが載っていた。あ、ギャグじゃないかも。まぁ、とにかく猫の尻尾でアレするおじさんの話が載っていたんです。

それに『は、尾が曲がっていたり、途中で切れているように見える「尾曲がりネコ」が』皮肉たっぷりに書かれていた。あ、皮肉じゃないかも。まぁ、とにかく「尾曲がり猫」のことが書いてあったんです。げ、ATOK8って「ねこ」の漢字変換候補に「NEKO」ってある。僕が登録したのかな。記憶にございません。ATOKは関係なくて「尾曲がり猫」のこと。

僕の家、尾曲がり猫がたくさんいる。直尾より。尾曲がり猫って尻尾を人間にちょんぎられているのかと思った。だって、僕が小学生くらいで社宅に住んでいたとき知り合いのおばさんが生まれた子猫の尻尾切っていたんだもの。だから今の今までみんな尻尾切られているのかと思っていた。生まれつきなんだ。ふーん。知らなかった。

それに、猫って内臓出しているのが普通かと思っていた。なんだ。これは車にひかれた猫だったからなんだね。みなさん、知っていました?


つつじの蜜が甘かった

また小さい頃の猫の思い出。猫と暮らしている家があって毎年子猫が生まれているから毎年捨てていたんだって。そんな話を近所のおばさんとしているのを聞いた。中身はこんな感じ。

「うちのミャーちゃん毎年子猫産むでしょう。だから捨てるのよ。」
「ドウヤッテ」
「江ノ島まで車で行って箱に入れて流すの。可哀想だから箱にニボシ入れておくの」
「ナルホド」
「そうするとミャーちゃん3、4日鳴くの。それ聞くと可哀想で」
「カワイソウ」
「ねぇ。可哀想ね。」
「カワイソウ」
「可哀想」
「カワイソウ」
「あはははは」
「アハハハハ」

こんな感じだった。その時僕は車にひかれた猫にたかる蟻をつつじの枝で潰していた。なんだかやけにハッキリ覚えている。


風邪の時

僕は熱を出したときの鼻水の味が分かる。別に舌にのせて「うん。違う!」と言っているわけではなく、鼻をかんだ後になんだか鼻の穴でもわっと味がするのだ。

その風邪の鼻水味がした。げ。風邪ひいたか。だから僕は体を暖めるために布団に入った。なんだか眠いんだけど眠れない。いやな汗をかいてきた。部屋に霧が立ちこめているみたいだ。やけにオレンジ色の部屋になっている。いつもこんな状態になる。夢なのかもしれない。今こうやって元気なときにあの時のことを思い出すとやたら頭がスッキリ透明な感じがする。なんなんだろう。とにかくそんな感じ。

風邪の時に見る部屋にいる車にひかれた猫はやたら獰猛に感じる。息づかいや鳴き声がいやに大きく耳元で聞こえる。なんだか僕を狙っていて食べようとしているのではないかと思ってしまう。とにかくそんな感じ。


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