僕を取り囲む私を観察した不定期日記で自分は誰?


格言織りまぜてみたりして

首から血がぴゅーぴゅー吹き出している車にひかれた猫がいた。立って見ているのもなんなので座って見ることにした。ははは。おもしろいなぁ。

血が吹き出している穴を指でふさいでみた。指がくすぐったいや。血が勢いよく吹き出てくるのが分かる。指を離してみた。

ぴゅー

あはは。あれ?勢いが弱くなったな。血の吹き上がる高さが低くなってきたよ。あーあ、じょろじょろと景気が悪くなって止まってしまったよ。振ってみた。う~ん。逆さにしてみた。ぽとぽとと滴るだけ。屋根のひさしからぽたぽたと雪が解けて水滴が落ちていた。補給。猫の半開きの口に水滴を入れてみた。駄目だ。血が吹き出ない。そうか…、これが「血は水よりも濃し」ということなんだね。よく意味は分からないけど。

く~。しかし、いやらしいな。僕って。馬鹿に見られないために格言入れてみたりして。


痛い(回文)

凄惨だなぁ。タイヤに絡まって引きずられたんだろうね。肉がボロボロ血がドバドバ、内臓ゴロゴロ脳ミソみそみそ。どうしたものだろうか。このままではさらに車にひかれて痛いことだろう。おい、■■。「痛いだろう」、じゃないよ。激激激痛だよ。トン単位の塊がバキバキと骨砕いて神経ズタズタにするんだから。麻酔なしだよ。牙が砕けているよ。うぎゃー。痛そう。だから「痛そう」レヴェルじゃないって。痛痛痛そうくらいだよ。

僕はアイスバーンに染み込み、そして擦り込まれた車にひかれた猫を爪で掻き集めることにした。

ガギガギ

本当にそういう音がする。ぐしゃぐしゃ集める。ぎちゃぎちゃ集める。びぢゃびぢゃ集める。ああ、爪切っておけばよかった。爪、はがれちゃったよ。雪が冷たくてよけい痛いや。僕の血って赤いなぁ。ああ、痛い痛い。痛い痛い痛い痛い。痛い。痛い痛い痛い。痛い痛い痛い痛い痛い。

雪も混じっているせいでスーパーでもらったビニール袋一杯になってしまった。でも痛いなぁ。痛い痛い。痛い痛い痛い痛い。痛い。


カモメカモメ

えへ。どうしよう。この雪混じりの車にひかれた猫。そのうち雪が融けてびちゃびちゃになるよね。冷凍庫に入れてカチンカチン(カ、抜いてみて。キャーッ!)にしよう。冷凍庫、か。心臓、きゅうとするね。中には僕が燃やした黒こげ猫の生首たち。ちょっとその後ろに置かせてね。新しいこの猫と仲良くしてね。僕なんかが言うのもなんだけどさ。
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