モグモグ
全然平気じゃないか。火を通しているから虫とかも死ぬだろうし、殺菌されると思うしね。うん。おいしい。おいしいや。ちなみに家にいる車にひかれた猫の食事はねー、コーヒー牛乳。だって138円で普通の牛乳より安かったんだもの。ご飯に焼き魚(ほっけ)、それにコーヒー牛乳を入れてかき混ぜたヤツ。うわー、まずそー。あ、でも食べてる食べてる。ラッキー。
僕「あ、待って」
僕は慌てて鼻をほじって鼻くそを出かけようとする猫の頭にくっつけた。猫はぶ然とした顔で頭につけたままスタスタ行ってしまった。ははは、間抜けに見えるなあ。
3時間後、さっきの猫が頭に鼻くそつけたまま帰ってきた。でも車にひかれた猫になっていた。片目が潰れて血が涙みたいに顔に流れていた。なんだかいじめられて泣いて帰ってきたみたいで可哀想でぎゅっと抱いた。
君は可愛い車にひかれた猫だからぎゅっと抱きしめたいけれど上に書いたようになるから抱かないね。
寝耳に水
男は車にひかれた猫の耳に水を注ぎました。それでも猫は起きません。
寝た子を起こすな
男はそうつぶやいて旅を続けましたとさ。
街の人は気がつかないのか下を向いて歩いている
あと5メートル。あと4メートル。ああ。僕の伸ばした腕に舞い降りる
ああ。やった。この猫、僕の猫
嬉しくて振り返った。ほかの猫たちは?
ふわふわの猫たちは地面に寝そべる。それを下を向いて歩く人たちが踏む。猫たちは声一つあげないで血を流している
道路に降りた猫は車にひかれていく。何の音もない。ふわふわの車にひかれた猫たちは赤く血を染めて地面に転がる
空からは次から次へとふわふわの猫たちが降りてくる