頭に穴が空いてしまいました。脳ミソが垂れてます。ハンカチをいつも持ち歩いていてよかった。
建物から出ようとノブを回したけど鍵がかかっていました。でも、彼らは建物に火をつけて帰ったのでそのうちどこか穴が空くでしょう。
有毒ガスが苦しかったです。火がとても熱かったです。ガスのせいで窒息し、火のせいで炭になってしまいました。
風に身を任せてコロコロと家路へ向かいました。あ、猫。寄ってくる。僕はおもちゃじゃないよ。こらこら、何をする。あ、食べないで。苦いよ。癌になるよ。
ちなみに今、猫の胃の中にいます。けっこう揺れます。それに臭いです。おまけに体融けかかっているし。
ぐわっ!!
衝撃。ザックリと腹が裂けて僕は外に転がりだしました。車が走り去っていきます。僕を食べた猫は車にひかれた猫になっていました。猫の体が風を遮り、僕はどこに行くこともできません。流れてくる猫の血に染まっていきます。
向うから僕が「ハハ~ン」と歌いながら歩いてきました。歌いながら歩くのはかなり恥ずかしいです。おまけに即興の自作の曲です。今度から歌わないで歩こうと思いました。
うわ、シャツがズボンからはみ出ている。いい加減にしろよ、■■。まるで馬鹿だぞ。やれやれ、こっちに気がついたよ。そうだそうだ、車にひかれた猫だよ。
おい!!俺も連れてけっ!!!
車にひかれた猫がこっちを見て言いました。
「助からないので楽に死なせてください。」
いつもなら足で猫頭を踏み潰すのですが、今日は靴を履いていません。向うからトラックが走ってきました。僕は取れかかった猫の首をひょいと掴んでトラックに投げつけました。
車にひかれた猫はドーンと空に舞い上がりキラーンと星になりました。
と思ったら向うの道路で絶命していました。
迫力ないけど巨大ロボットが街を襲っている効果音です。
民が逃げまどっています。車で脱出しようという家族連れとかに猫がバンバンひかれています。あっちにも車にひかれた猫、こっちにも車にひかれた猫、あ、足元にも車にひかれた猫。そういえば『あっち、こっち、えっち』というアダルトビデオがあったなぁ。
両手一杯に車にひかれた猫を持っています。たくさん持ち過ぎてポロッと車にひかれた猫が落ちてしまいます。それを拾おうとかがむとまた車にひかれた猫が落ちてしまいます。そんなことを繰り返して家に向かいました。
あ、家がない。おのれ、巨大ロボットめ。