車がクラクションを鳴らしていく。車は僕にあたらない。僕が中心だ。しかしうるさいクラクションだ。静かにしろ静かにしろ静かにしろ静かにしろ…。
うがあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!
僕がいくら叫んでも車は静かにならない。やっぱり夢じゃないのか。
そう思わない?
猫の手に問いかける。手だけだから答えれないよね。でもニャーと答える。だからといって夢というわけではなく現実だったりするから注意しないといけない。
近くのゴミ袋を切り裂く。中から車にひかれた猫の体が出てくる。この手の本体だ。こうやって細部までつじつまが合うからって現実だとは限らない。夢だから都合よくできていることがあるからだ。
夢なら猫もニャーとかゴロゴロじゃなくて「こんにちは」とか「ご飯」とか言えばいいのに。夢で見る猫も猫語しかしゃべらない。夢と現実の区別がつかないから夢の時に損をする。もっといろいろなことができるのに。
そう思わない?
ニャー。
穴を開けたビニール袋に入れて外に干しておく。飢えないようにキャットフードを入れておいて。
そうするとすぐにカラスがやってくる。まったくどこから聞きつけてくるんだ?そうか。僕を見張っている人たちが電話連絡網か何かを使って教えているんだな。いい加減にしろよな。